アカサカ落語帳

スーツ姿の落語家が聞きかじった噺です。

どんな組織に入ると「アカン」のか

■なぜ組織に入ると人がつまらない人に変わるのか

 

自分もどんな組織に入るべきか考える時期であったので、 つまらない人にならない組織になるべく入りたいなという願望がありました。いい機会だったので、「良い」組織の定義より「アカン」組織を考えていくことにしました。(そのほうが早い)

 

まず組織とは「ある目的を達成するために意図的に構成された集団」という定義なので、そもそも個々人の構成員はある程度個人の欲望や感情・個性を殺して目的を遂行することが求められます。

 

ここで重要なのが、組織の目指す目標と個人のやりたいことが同じベクトルの場合、互いを活かし合うため、「つまらない人」には成り得ません。大事なのはどんな組織に入るか、すなわち個人のベクトルと合っているかですね。

 

■どんな組織に入ると「アカン」のか

①目標のない組織

前述の通り、「組織は目標を達成するために」作られた集団ですので、目標がない時点でオワコンなわけです。ヘタすると、組織を継続するというのが目標となり、トートロジーを抱えたエラい組織が完成しかねません。こういう組織に入ると、組織を維持するために人のリソースを搾取する状況が生まれ、従順に作業を行う、つまらない人が量産されます。

 

②競争のない組織

「競争のないところに競争力は生まれない」とは上手いこと言ったなと落語家では話題ですが、組織はまさにその差が如実にでます。昭和の金融業界において、護送船団方式を通した幅広い業界保護は、結果的に欧米の圧力に負け、様々な企業が喰われていく契機となったのでした。競争が無い中では当然努力する意義が薄れるので、輝いた人、面白い人も減ります。

 

③動きにくい組織

人数、規模が大きすぎて硬直化された組織では、やる気のある人が「諦念」を感じるほどに動きが遅くなります。日系メーカーのトップが中国との競争という文脈のなかで「スピード感を持って動かなければ明日はない」という発言はまさに、このままだと死ぬという危機感を表していますが人数が大きいほど、「小学校時代の校長の話」ぐらいに捉える人の比率が増え、スピード感ある変化が起こせません。結果的に面白い人が外に出て、内部は退屈そうな顔をした、つまらない人で溢れかえります。

 

面白い人がつまらなくなるのは、詰まるところ「飼い殺し」にあります。面白いの定義にも寄りますが、パフォームしながら、どんどんアイデアを出せる人材が動きにくい要点は上にまとめられる気がします。